「日和、白矢くんは?」







「まだ来ていないみたい...」







「えぇー!?もうすぐ出発なのに、アイツは一体、何をやっているんだか...」








「紬が白矢くんアイツって言った...」







「紬ってたまに何かしらの闇を見せるよね」







「美華もそう思う?」







「うん....」







「2人とも何か言った?」







「「いえ、なんでも....」」







「ふふっ」









変わらない美華たちの会話。








これがしばらく見れないのは寂しい限りと思う日和。








一方で、白矢は約束の時間が過ぎても全然姿を見せない。日和は少々不安になってきた。









.....白矢くんどうしたんだろう。まさか忘れてないよね?







日和の両親は先に車に乗り込んだ。








日和は美華たちと話しながら白矢が来るのをギリギリまで待つことにした。








すると、出発ギリギリのところで白矢がやって来た。







「白矢くん...!」







「すまない。準備していたら遅くなった。はぁ...はぁ....」







息を切らした白矢は日和に必死、謝りながら息を整える。







「準備?」







白矢は手に持っていた紙袋を日和に渡した。







「これは?」







開けるとその中にはぴよ吉さんのマスコットが入っていた。







「俺が作った。少しでも中原が元気でいれるように何か渡したくて。それで、中原がよく食べているぴよ吉さんのマスコットを作ろうと思って...。変、かな?」









「ううん。変じゃないよ!むしろ嬉しい。大切にするよ...!ありがとう白矢くん」