【完】好きだからそばにいるんだよ

気づけば日和は眠りについていた。その寝顔がとても安心しきっていた。







「ようやく笑ってくれたな。これからまたキミは悲しい思いをするかもしれない。だけどその時は俺がまた、キミの気持ちを受け止める」








病院で苦しんでいる時、俺はどうしていいか分からなかった。自分も怖いという感情になったからだ。







それ以上にキミは大切な人の死をまじかに感じているというのに...。







自分が情けない。あの時1番、俺がキミを支えなければならないはずなのに俺はあんな事しかできなかった。






文化祭の時、日和はのんびりな自分を卒業すると言っていた。俺も見習って情けない自分を卒業しないとな。





どんな時でも安心感を与えられる男になりたい。そしたら日和はもっと俺を頼ってくれるかもしれない。







今はまだ伝えられないが、いつか伝えたい言葉がある。







「俺の気持ちはキミが考えている以上に抑えきれなくなっているんだよ...日和...」






「白矢くん?ん〜...むにゃむにゃ...。スースー....」







起きたと思った日和はまた目を閉じ、再び眠りについた。








ガチャ





「白矢。遅かったな」





「日和と少し話していたんだ。皆は?」





帰宅した白矢は日和を布団に寝かせて、桐斗にあれからどうなったか聞く。





「木乃実はあのまま寝ちゃってな。他の皆も奥で寝ている。さっきおばさんから連絡があって、おばあさんの意識ははっきりしてきたそうだ。日和が目を覚ましたら病院に来るよう、伝えてくれってさ」





「そうか。俺も少し休む」







さすがに疲れた。今は安心して過ごせる時間なんだ。またいつ、日和が困ってもいいように俺もここで休もう。







支えなきゃいけない俺が疲れていたら支えられる人も支えられない。








「俺も休むか。ずっと起きていたからさすがに脳が働かねー」