辺りはまだ薄暗く、冷たい風が吹き続いている。
こんな暗い時間にこの辺を歩くのは初めて。風で飛んでいく雪。こんなに降り積もってたんだ。
「くしゅん!」
コートを着ずに家を飛び出した日和は寒さでカタカタと震えだした。
おばぁちゃんのことしか考えてなくて、自分のことなんて忘れてたな。
「これを着て」
自分のコートを日和にかけた白矢。
「白矢くんいいの?寒くない?」
「大丈夫。それを着たらここに乗って」
白矢はしゃがんで、自分の背中に乗るように日和に言う。
「疲れてフラフラしてるだろ?少しここで休んで」
いつもなら1度は拒否する日和だったが、この日はとても甘えたい気持ちがあった。
「お邪魔します」
背中に乗ると、白矢は日和を支えて立ち上がり、再び歩き出した。
温かいな。さっきまで不安だった気持ちがなくなっていく気がする。このまま今日は寝てしまいたい。
私が困っていると真っ先に気づいて、自分の事のように相手の気持ちに寄り添ってくれる白矢くん。私は今回、それにどれほど助けられたか。
おばぁちゃんが良くならなくて、私が不安な時は目を見てくれて、過呼吸になった時は背中を優しくさすってくれた。
あの時、おばぁちゃんに気持ちを伝えられたのは白矢くんが私を安心させてくれて、木乃実が私に勇気を分けてくれたから、不安を乗り越えて伝えることが出来た。
こんな暗い時間にこの辺を歩くのは初めて。風で飛んでいく雪。こんなに降り積もってたんだ。
「くしゅん!」
コートを着ずに家を飛び出した日和は寒さでカタカタと震えだした。
おばぁちゃんのことしか考えてなくて、自分のことなんて忘れてたな。
「これを着て」
自分のコートを日和にかけた白矢。
「白矢くんいいの?寒くない?」
「大丈夫。それを着たらここに乗って」
白矢はしゃがんで、自分の背中に乗るように日和に言う。
「疲れてフラフラしてるだろ?少しここで休んで」
いつもなら1度は拒否する日和だったが、この日はとても甘えたい気持ちがあった。
「お邪魔します」
背中に乗ると、白矢は日和を支えて立ち上がり、再び歩き出した。
温かいな。さっきまで不安だった気持ちがなくなっていく気がする。このまま今日は寝てしまいたい。
私が困っていると真っ先に気づいて、自分の事のように相手の気持ちに寄り添ってくれる白矢くん。私は今回、それにどれほど助けられたか。
おばぁちゃんが良くならなくて、私が不安な時は目を見てくれて、過呼吸になった時は背中を優しくさすってくれた。
あの時、おばぁちゃんに気持ちを伝えられたのは白矢くんが私を安心させてくれて、木乃実が私に勇気を分けてくれたから、不安を乗り越えて伝えることが出来た。



