【完】好きだからそばにいるんだよ

それからすぐに意識を取り戻し、回復した祖母。看護師さんから今夜はもう、安心だと伝えられた。







おばぁちゃん良かった。戻ってきてくれたんだね。届いたんだ。私と木乃実ちゃんの気持ちが。あの時、諦めなくて本当に良かった。







一同は力が抜けるも、モニターから祖母の様子を見て、一安心した。








気づけば時刻は朝日が昇る時間帯になっていた。日和の両親は病院に残って、祖母の容体を再び医師に説明してもらう。








日和たちは先に帰るように言い渡される。







まだ帰りたくないが、疲労には適わない。パパとママも疲れているはずなのに...。私たちを優先してくれた。






もうこれ以上のワガママは言えない。今は2人の気持ちを大切にしないといけない。






病院を出ると、桐斗たちが待っていた。





「皆...!」





来てくれたんだ。まだ日が昇ってなくて、気温も寒いなか。私やおばぁちゃんのことを心配してくれて。ありがとう。






祖母が一命を取り留めてすぐ、白矢は日和の家で待つ、美華たちに連絡をし、無事を報告していた。






木乃実は桐斗の方にすぐ駆け寄る。疲れが溜まったいたのか、その場で眠りにつきそうになっていた。





木乃実ちゃんありがとう。今はお互いゆっくり休もうね。けどまだ、本当は帰りたくない。このまま帰ればまた、泣いてしまうかもしれない。





皆も疲れているのにそんな、迷惑になることは出来ないよ。






日和もまだ、安心しきったわけじゃない。心がかなり不安定な状態でいつまた、祖母の死が思い出されて過呼吸になってもおかしくなかった。








日和の気分転換になるように、桐斗は白矢にこれからを任せることにした。







「あとは任せろ。お前は日和と一緒にいてやれ」







「ありがとう小柳。日和、行こうか」






「うん。皆、ありがとう。おばぁちゃんはもう、大丈夫」






まだ涙が流れるも、日和は皆に心配をかけたくなく、できる限りの笑顔でお礼を言った。