気づけば医師たちの手は止まっていた。これ以上治療を行っても、祖母の脈は戻らないと判断されたのだ。
止めないで。おばぁちゃんを助けて。黙って見てないで、手を動かしてよ。見放さないで...。私から大事な人を奪わないで。
「日和、おばぁちゃんはもう......。ここから最後の言葉をかけよう」
何言ってるのパパ?おばぁちゃんはまだ、死んでない...!
父が声をかけ終わると、次に母が祖母に最後の言葉を送った。
ママまで。2人はこれでいいの?おばぁちゃんはまだ死んでないのに最後の言葉なんて、あんまりだよ...。
「さぁ、日和。おばぁちゃんに最後の言葉を送りなさい」
「いや!おばぁちゃんはまだ死んでない...!パパとママはこれでいいの?おばぁちゃんはまだ生きてるよ!勝手に死なせないで...!」
私はまだ諦めない...!おばぁちゃんは必ず生き返る。私はその可能性を信じたい!
「日和、子供みたいなワガママはよしなさい!見て分からないの?おばぁちゃんの脈はもう、戻らないの。変な意地を張ってないで、素直に受け入れなさい...!」
日和を叱った母の目には涙が溜まっていた。日和が思っていることは父も母も理解している。けど、諦めなきゃいけない時だってある。
祖母の心臓はもう、動かない。手遅れなんだ。日和だって、そんなことは分かってる。しかし日和はそれでも諦めなかった。
それは祖母のそばに、誰よりも近くにいたのが日和だから。
すると木乃実はマイクを前に立って、祖母に話しかけた。
木乃実ちゃん?
「おばぁちゃん分かる?木乃実だよ。この前会ったよね。今日はさ、おばぁちゃんに言いたいことがあって来たんだ。
私ね、日和のおばぁちゃんと出会ってから変わったんだよ。
私の両親は共働きで、朝も早くて会って話す機会が今まで全然なかったんだ。
止めないで。おばぁちゃんを助けて。黙って見てないで、手を動かしてよ。見放さないで...。私から大事な人を奪わないで。
「日和、おばぁちゃんはもう......。ここから最後の言葉をかけよう」
何言ってるのパパ?おばぁちゃんはまだ、死んでない...!
父が声をかけ終わると、次に母が祖母に最後の言葉を送った。
ママまで。2人はこれでいいの?おばぁちゃんはまだ死んでないのに最後の言葉なんて、あんまりだよ...。
「さぁ、日和。おばぁちゃんに最後の言葉を送りなさい」
「いや!おばぁちゃんはまだ死んでない...!パパとママはこれでいいの?おばぁちゃんはまだ生きてるよ!勝手に死なせないで...!」
私はまだ諦めない...!おばぁちゃんは必ず生き返る。私はその可能性を信じたい!
「日和、子供みたいなワガママはよしなさい!見て分からないの?おばぁちゃんの脈はもう、戻らないの。変な意地を張ってないで、素直に受け入れなさい...!」
日和を叱った母の目には涙が溜まっていた。日和が思っていることは父も母も理解している。けど、諦めなきゃいけない時だってある。
祖母の心臓はもう、動かない。手遅れなんだ。日和だって、そんなことは分かってる。しかし日和はそれでも諦めなかった。
それは祖母のそばに、誰よりも近くにいたのが日和だから。
すると木乃実はマイクを前に立って、祖母に話しかけた。
木乃実ちゃん?
「おばぁちゃん分かる?木乃実だよ。この前会ったよね。今日はさ、おばぁちゃんに言いたいことがあって来たんだ。
私ね、日和のおばぁちゃんと出会ってから変わったんだよ。
私の両親は共働きで、朝も早くて会って話す機会が今まで全然なかったんだ。



