「見て、あの人じゃない?」

「なんか軍人ぽくないですね
色が白くて細い」

「でもかっこよくない?」

「顔で姫様は守れないでしょ〜」

「実力もしっかりあるみたいよ
武闘会ぶっちぎりだったって」



「……姫様と仲良くしてくれますかね」

「彼の仕事は姫様とお茶することじゃないわ」

「……ですよね」 


ユリは、人見知りで引っ込み思案なお姫様のことを思った

侍女の私たちにも気を遣い
いつも何かに怯えているような頼りない姫様

お母様がお亡くなりになってからはほとんどの時間を1人で過ごされている


優しい人だといいな

これから姫様に会いに来るひとが
どうか姫様の支えになるような人でありますように