愛した女の行方

玄関先じゃなんだし、とりあえず中に招き入れた。どうせ家には誰もいなかったしな。

タオルに包まりながら、結貴は言った。

「ごめん……急にこんなこと言われたって……困る、よな」

「少し、驚きはしたな」

「そうだよな。ほんと、ごめん」

「お前さえよければ、話してくれないか」

結貴は全てを話した。

結貴の父親は長年子宝に恵まれず、やっと生まれた子が女児でがっかりしたこと。

そのせいで結貴は父親に男として生きるよう強いられたこと。

父親の跡継ぎの男児が欲しいという欲望は止まらず、ついには結貴の体までも男にさせようとしたこと。

結貴の涙の原因はそれだった。