・・・放課後


玄関前の壁に寄りかかって


柚梨奈ちゃんを待っていた


「唯斗・・・先輩」


名前を呼ばれて 顔を上げる


「待たせて・・・ごめんなさい」


「あ・・・いや」


少しだけ 雰囲気が違っていた


髪を少し緩く巻いている


少し照れながら 視線を


逸らしているのが


可愛く見えてしまった


「じゃあ 行こうか?」


「・・・はい」


俺と柚梨奈ちゃんは 学校を出た


なんか・・・緊張しているのか?


俺らしくない・・・


チラッと隣を見ると


柚梨奈ちゃんも 緊張している


みたいだった


「あの・・・どこ行くんですか?」


「え?」


「買い物に・・・付き合って


欲しいって言ってたので」


あ・・・そうだった