――――ガタッ
椅子から立ち上がった鮎川さんが、ユイカちゃんから食事券を取り返す。
予想していなかった展開に、ユイカちゃんもわたしも意表をつかれた。
「ちょ、なにすんの!」
驚いた直後にムッとするユイカちゃん。
「こっちが先約」
「は?」
「わかんない? こっちが先に副委員長ちゃんにデートに誘われたって言ってんの」
……誘ってない。
誘いたい気持ちはすごくある。
でも、声をかけようとして、ユイカちゃんが間に入ってきた。
「だから。横取りしないでね」
「……なに……それ」
「わかんない? キミには、あげない」
「……っ」
鮎川さんにそれ以上反論できない様子で、ユイカちゃんが席へと戻っていく。


