ドンッ



「あ」



人とぶつかり、案内マップの書かれた紙を地面に落としてしまう。

拾わなきゃ。



「……っ」



ダメだ、拾えない。

人の流れがはやく、思わぬ方向に流される。



あれがないと、今どこにいるのか全然わかんない。



それにしても、このあたりは特に人が多い。

さっきまでより、ずっと。



「そろそろ始まるね」

「うん」



女の子たちの声が聞こえてくる。



「優勝者はたくさんの事務所からスカウトされるんでしょ」

「テレビ出演するしね」