ほんと無理。 やだ。 こうなったら…… 《ビーーーーーッ!》 スクバにつけていた防犯ブザーの紐を引っ張る。 「おい」 アイツがギョッとして、わたしの手をはなした。 効果はばつぐんだ!(?) 怪訝そうにわたしを見下ろしてくるアイツから顔をそむけ、無我夢中で走る。 「待てよ」 「やだ」 まだ追いかけてくる~! あんまり効いてない~! 「そのうるせぇの止めろ」 「とめない!」 「逃げ切れると思ってんのか」 おまわりさーーーん! 「おい、ダイフク」 「その呼び方……やめてっ」