聞こえてきたのは
冷たくて、低い声。
「邪魔だ」
……高圧的な態度。
やだな。
「聞こえないのか」
えっ。
待って、わたし……?
わたしに言ってる!?
「つうか、お前。……その部屋から出てきたな」
かがんで、顔をのぞきこまれる。
かなり身長差があるらしい。
反射的に顔を背けると
「やっ……」
壁に手をついて、わたしの動きをふうじてくる。
ひぃぃいい!!!!
「こっち見ろよ」
絵に描いたような傲慢な俺様男子。
まさに、わたしが苦手なタイプ。
「どうせ。こんなとこにホイホイくる女なんか、ろくな――」
「は……はなれて、ください」
一秒でも、はやく
「どいて……って」
この場から立ち去りたいわたしは
「言ってる……のが……」
男の子の顔を見た瞬間
「……っ」
体が、硬直した。


