「ちょっと」
ユイカちゃんに呼ばれ、部屋から出る。
向かったのは女子トイレ。
「どういうつもり?」
なぜかユイカちゃん、腕をくんでわたしをにらんでくるんだけど。
ええっ!?
「……なにが」
「レイくん独占しすぎ」
レイくん……
あっ、あの男の子の名前か。
「どっ、ドクセン!?」
「ずっと2人で話してるじゃん」
ずっと……ってほどでは。
となりにいる、けど。
「あ、あのね。ユイカちゃん」
「なに」
「できれば、男の子が来ること……事前に知りたかったなあ……って」
「なにか問題あんの?」
問題しかないよ。
「……わたし。実は。……苦手で」
「は?」
「男の子。苦手なの」
なのに初対面の男の子たちとカラオケなんて、無理すぎる。
「そのわりにレイくんと距離感近いよね」
「あ……あの人は」
不思議なことに
レイくんは他の男の子と、ちょっとちがう。
助けてくれたせい?
「イケメンは別ってこと?」
「そ、そういうわけじゃなくて」
「とにかく。レイくんは、あたしが狙うって決まったの」


