「そいつから離れろ」 「……え」 「殺すぞ」 赤星くんの殺気に女の子たちが後退りする。 「……誰」 さすがにユイカちゃんもビビってる。 こんなこと言いたくないけど 赤星くんが、ヒーローみたいに見える。 ありえないのに。 ただ、わたしにヒドイコトしに来ただけに決まってるのに。 わたしを抱き抱えると歩き出す赤星くん。 「お、おろして!」 「おろせば逃げるだろ」 「に……にげ……ない」 「目が泳いでるぞ」 「にげない! にげないから!」