「はい、お着き」
前回同様、駅で降りる
「ありがとうございます」
バイクを降りて向き直る
「…なぁ晴」
?
「はい」
「…その…もし少しでも怪しいと思う奴に絡まれたらすぐ俺の名前使って」
え、どういうこと?
「…いや、ちょっと厄介な奴に目をつけられてるかもしれないから」
さっきもちょっとだけ見た険しい表情になる
厄介な奴?
「…何もないといいんだけど…」
顔が怖い
光のなくなった目と眉間による皺
何かあったのかな…
急に纏うオーラを変えてしまった響紀さん
唐突に遠い存在になってしまったような気がした
それがなんだか寂しくて、思わず手を伸ばす
「…え」
「大丈夫ですか?」
頬に触れるか触れないかのところで手を止める
目を丸くした響紀さんと視線が交わる
「私は大丈夫ですよ。ちゃんと自分のことは自分で守りますし、いざというときは正しい判断をします」
そんな怖い顔しないで
私なんかではきっとなんの力にもなれないだろうけど
それでも
「もし、私が何か力になれるのであれば力になりますから」


