今夜もあなたと月、見ます。



「海が丘高校です」

「え、海が丘?」



「俺もそこ卒業してるよ」

え、そうなの?

「…ってことは、一昨年は一緒の高校にいたんだね」

え、あ、そっか

二つ違いだから、私が一年生の時に三年生だったんだ

「世間って狭いねぇ」

ふふ

「そうですね」

くすりと笑った横顔を見て思う


…私も、あなたのことを知りたい

「…あの」

「?」

「みちえ…響紀さんは、今大学生なんですか?」

彼のことを知ろうと思うには、ちょっと勇気がいる

「そっか、フェアに行かなきゃね?」



私の質問に対して少し笑う

「大学には行ってないよ。就職してる」

就職

なんのしごと…

重ねて質問しようとした私の口に、彼の人差し指が立つ


「そこまで。質問は一日一つにしよう」

…え?

い、一日一つ?

「その方が面白くない?」

面白いって何?

「俺のことを知りたいなら、また会おうよ」



「また、俺と会うの。嫌?」

ぶんぶんと首を横に振る

「ふふ、じゃあ決まり。会うたびにお互いに一つ質問する。会えば会うほどお互いのことを知っていく」


…やっぱり

響紀さんは

「ロマンチストですね」