今夜もあなたと月、見ます。



「7月の満月のこと、バックムーンって言うらしいですよ」

瀧本さんからの情報をあたかも自分が知っていたかのように呟く

「バックムーン?」

「バックムーン」

「なんでそんな名前なの?」

え"

知らん

「えっと…う、後ろ向きだから?」

「ブッ…」



絶対違うだろって答えに道枝さんが吹き出す


「七月になると"Buck"、英語で雄の鹿。そいつのツノが生え変わるから、アメリカの先住民がそうやってつけたらしいよ」

へぇ…

ん?

「知ってたんですか?」

「知ってた」



かあっと赤くなる

「知ってたなら聞かないでくださいよ!」

「あはは、ごめんごめん。可愛かったからつい」

あーもう恥かいたぁ!

赤っ恥よ!

顔を隠すようにそっぽを向く


「間宮晴」



唐突に私の名前を呼ぶ声

「晴って呼んで良い?」



な、なんで急に

「間宮の方がいい?」




いや、別に

「晴で…いいですよ」

「…ふふ、うん」