今夜もあなたと月、見ます。




帰り道


私、暴走族なんて言ってないのにな

瀧本って苗字が風組のお頭と一緒って知ってたのかな


…やっぱり瀧本さんって……



「晴?」




この声

「響紀さん」


振り向くと珍しくバイクを持ってない丸腰の響紀さんがいた


「珍しいねこっちの道なんて。いると思わなかったよ」

え?


あ、ぼうっとしながら歩いてたせいで

あの月の見える路地につながる方を歩いていた


「…どうした?」



「なんか、考え事?」

「…わかるんですか?」

「…なんとなくね」


…風組の総長に接したことは…言わない方がいいよね





 『悪い事は言わない、道枝から離れろ』


横井くんの言葉が頭をよぎる



響紀さんのそばにいてあげたいなんて

自分勝手なエゴにすぎない

そんなこと自分でもわかってる


自分が離れたくないから
だからそんな綺麗な言葉を使って納得させようとしていただけ


本当は知ってる

私じゃ力不足だということも

いつか響紀さんを傷つけてしまうのではないかということも


でもそれでも