「じゃあ出かけようか」
「…はい」
かあっと顔が赤くなる
「…晴」
?
「こっち」
え?
唐突にグッと腕を引かれてバランスを崩し、響紀さんにもたれかかってしまった
…え、え、ななな
何!?
「車」
え、あ
ブロローと私たちの後ろを車が通った
「…あ、ありがとうございます」
そっか、そうだよね
なんか、う…変な勘違いをしてしまった
「…?」
離れようと身体を引いたけど
私の腕を掴む響紀さんの手はそのままだった
力で敵うはずもなく、その体制のまま固まってしまう
「…」
響紀さんの目は前髪がかかっていてしっかり見えない
いつもより至近距離で見る響紀さん
やっぱりミントの香りがする
なんで手を離さないんだろうとか、何を考えているんだろうとか
色々思うことはあるけど
「…」
今何か言ってしまったら
離れてしまうかと思って、何も言えなかった


