今夜もあなたと月、見ます。



「じゃあ出かけようか」

「…はい」

かあっと顔が赤くなる


「…晴」



「こっち」

え?
唐突にグッと腕を引かれてバランスを崩し、響紀さんにもたれかかってしまった

…え、え、ななな
何!?


「車」

え、あ

ブロローと私たちの後ろを車が通った

「…あ、ありがとうございます」

そっか、そうだよね
なんか、う…変な勘違いをしてしまった


「…?」

離れようと身体を引いたけど
私の腕を掴む響紀さんの手はそのままだった

力で敵うはずもなく、その体制のまま固まってしまう

「…」


響紀さんの目は前髪がかかっていてしっかり見えない

いつもより至近距離で見る響紀さん

やっぱりミントの香りがする


なんで手を離さないんだろうとか、何を考えているんだろうとか
色々思うことはあるけど

「…」

今何か言ってしまったら
離れてしまうかと思って、何も言えなかった