今夜もあなたと月、見ます。



「バイト終わったんだ」

「はい」

「駅まで送ろうか」

「…ありがとうございます」


自覚したばっかりに一層恥ずかしい

でも、この貴重な会える一回を無駄にしたくない

少し緊張して湿り気を持つ手のひらを拳にしまい、隣へ並んだ


「歩いてでもいいですか?」

バイクじゃ一瞬で着いてしまうから

「もちろん」

バイクを引きながら、私に合わせて歩いてくれる響紀さん


響紀さんを見ていると、なんだか胸が熱くなるけど、それと同時に安心する

ここは気を抜いてもいい場所だと

自分を着飾る必要はないと

普段着けている錘を外したように軽い気分になる

気がするだけだと思うけどね


「あ、そういえば私今日から夏休みです」

「お、いいねぇ」

「バイトと勉強漬けですけどね」

「高3らしい夏休みじゃん」

たしかに