ポーン!
!
瀧本さんが口を開こうとした瞬間、入店を知らせる報知の音が鳴り、二人揃ってレジに向き直る
「いらっしゃいませー」
…私なんであんなこと聞いたんだ?
下の名前がなんだって言うの?
…
いや、違う
そんなはずはない
脳内で再生される、過去の瀧本さんと桃音、そして横井くんの言葉
『2代目3代目の総長は血縁関係で繋いでるわけじゃないらしい』
『私の彼氏バイク乗り回してるんだけどさ、喧嘩ごとが多くて困っちゃうよ』
『風春くんって言うんだけど』
『確か間宮さんと同い年』
『道枝の下の名前なんてそう簡単に知れるもんじゃないよ。"道組総長道枝"で通ってるから。風組の中でも多分知ってるのは総長だけ』
『もし何かあったら俺に教えてね
道枝響紀のこととか』
あれ?
やっぱりあの時の違和感って…
「どうしたの?間宮さん」
…
「いや、なんでもないです」
まさかね
流石に考え過ぎた
暇すぎるとこうだから困る
私のネガティブな妄想癖もなんとかしなきゃな
「……」


