今夜もあなたと月、見ます。



「ちょっと晴!聞いてるの?」



「あ、ごめんなに?」

「もー!最近よくぼーっとしてる!」

「ご、ごめんって」

「今度の土曜日ね、勉強会」

「あ、うん」

「その時に聞かせてね」

何を?


「恋!してるんでしょ?」

……え?

「だからそんなにぼーっとしてるんでしょ!」

…こ、恋?


「ちゃんと聞かせてねー!恋バナ!」

何か言い返す間もなく、手を振って去っていく桃音


…こ、恋…?

恋って、私が…?誰に?



…いやいやいやいや

いや…でも

もしそうだとしたら


一人しかいない

とぼけようとしたところで無意味だ

どうせ何も考えていなくたって、ちょっとしたことからすぐに響紀さんを連想するんだから





その感情が一体どんなものなのか

正直私には分からないけれど


でももし、今私の中で芽生えようとしている

この得体の知れない感情をそう呼ぶのなら

私はすんなり受け止めてしまうだろうか


私にとっての響紀さんは

特別…


そして、さらに、それがもっと意味を持った感情に

変わってしまうかもしれない