今夜もあなたと月、見ます。



そして一週間があっという間に過ぎ、今日から夏休み

夏休み前の最後の平日って、なんかちょっと変な気分になるよね

気が抜けると言うか


あれから響紀さんには会っていない

相変わらず道組やら風組やらの噂は聞くけれど

どれも今までと変わらないものばかり


ようやっとキーケースに馴染んできたあの屋上の鍵



夏休み、一度くらいは使ってみようかな…

そう思ってはみても、あの場所に足を踏み入れると言うだけで、中々の気力が必要になる

そのくらい、私には無縁だった世界だから


「晴!今日一緒に帰ろ!」

珍しく桃音が帰りの支度をしてこっちに手を振る

いつも帰りは別だからちょっと特別感がある

「いいけど、珍しいね」

「夏休みの計画立てるの!」

あー

「わかった」