今夜もあなたと月、見ます。




「間宮はさ、嘘とか裏切りとかそういうのは滅法嫌い?」



何を言い出すのかと、帰り道で隣を歩く横井くんを見上げる

「え、まあそりゃ…いいものではないと思うけど」

「…そうだよね」

うん

まあでも

「多少は必要だと思うよ。うまく生きていくためには」

嘘をつかない人間がいるのだと言うのなら

ぜひ見てみたいものだ

「相手を守ったりする優しい嘘もあるし、嘘つきはダメだなんて言っていられるほど余裕のある人間はいないでしょう」


裏切りの方はよくわからないけど

その背景に何があるかによってだいぶ話は変わってくるよね

だから良い悪いを偉そうに語ることはできないかな


「…じゃあ聞き方変える」



「間宮は…間宮を裏切った相手がいたとしたら…そいつのこと嫌いになる?」



私を裏切る…

…うーん

「…わからない…かな」


「……そっか。」