「恐怖や暴力でしか人を従えられない権威者との繋がりなんて所詮その場凌ぎの薄い繋がりだよ」
いざというとき本当に背中を任せられるかと問えば、きっとその総長さんはYESとは言えない
「日本史や世界史も同じ。武力や権力で国民を捩じ伏せようとする先導者は必ずと言っていいほど挫折するでしょ」
つまりはそういうことー
「ぶふっ」
?
上手いこと言えたのではないかと思っていたら横井くんが吹き出した
「さすが間宮、ははっ」
なんじゃよ
「まさか歴史で例えてくるとは思わなかった」
?
「真面目だよね、やっぱり」
「褒め言葉?」
「あはは、もちろんだよ」
なんだか素直に受け止められないわよ
「ありがとう間宮、ちょっと気分が楽になったよ」
…
「なら、よかった」
向こうが笑顔だったので、こちらもつられて表情を緩めた
「…間宮、もう帰る?」
え?
「うん、そのつもり」
「じゃあ、一緒に帰ってもいい?」
「あーうん。いいよ」
「やった」
やっぱり横井くんは、私の知る横井くんのままだ


