「…友達…あの道枝に友達か」
？
「弱み握られてるとかじゃないの？」
弱みぃ？
「そんなのないけど」
「その…向こうにとって都合のいい、あの…そういう関係とかじゃない？」
そういう関係？
あー…
「別に身体売ってるとかじゃないから安心して」
「…」
心なしかホッとしたような表情になる横井くん
「本当に偶然に偶然が重なっただけ」
「…そうなんだ」
そんなことより
「横井くんはなんで響紀さんを追いかけてたの？」
「…あー。俺だってあんなの相手に追いかけっこなんてしたくなかったけど…風組の総長ってだいぶおっかなくってさ…従わないとやばい目に合うから」
…やばい目
「追いかけろって言われたら追いかけて、殴れって言われたら殴る。所詮俺達は風組総長の駒でしかないよ」
初めて響紀さんに会った日
確かあの人も似たようなことを言ってた
『暴力でしか解決方法を知らない、強さこそが上に立つ資格だと思ってる古臭い考え方をした奴らの集まり、空振りのでくのぼうだよ』
…
