今、司会者に紹介され、檻の中からこの欲望渦巻く会場を見つめている私の名前はエラ。
これからこの会場でオークション商品として取り引きされるのは私だ。

一応商品ということで胸まである銀髪は綺麗にとかれているし、顔もより美しくなるように化粧が施されている。
服装はとても質素で肌の露出が多い白いミニワンピースだった。


こんな絶望しかない状況だが私は全然絶望などしていない。
何故ならこれが私の仕事だからだ。


私の国で1番と言われるショークラブ・カルマ。
ショークラブ・カルマにはショークラブである表の顔と、金さえ払えば密偵、暗殺など何でもする裏の顔がある。

いわゆる裏社会の何でも屋、それがショークラブ・カルマだ。


私はそんなカルマで働いており、今はカルマからの仕事でこのオークション会場にわざと商品として捕まっていた。

今回カルマが受けた仕事内容は隣国の人身売買オークション会場に出入りする貴族をリストアップし、依頼人に渡すこと。その為にいろいろな場所にカルマの者が関係者として紛れていた。

カルマの中でも一際美しいと言われる私は商品としてここに紛れている。



「…」



さて、と。
改めて会場を見渡して一息つく。