「…エラ」


またノアが私の名前を呼ぶ。
昔と同じように優しい笑顔。だが何故だろうか彼の瞳はどこか仄暗い。


「ねぇエラ。何故君がここにいるのかはわからない。だけど君を買ったのは僕だ。君はもう僕だけのものだ」


檻の外からノアが私の頬に優しく触れる。


「会いたかったよ、エラ。もう二度と逃がさないからね」


そしてノアは私に微笑んだ。
だがその目には一切の光がなかった。


ノアも私と同じだと思っていた。
しかしどうやらそうではないようだった。