「さあ、本日の目玉はこちらの美女!銀の髪はシルクのように美しく、瞳は燃えるルビーのような輝き!肉付きもほどよく歳は19歳!こちらの美女お値段は100万ルーから!」



人身売買オークションの司会者がステージ場から声高らかにマイクを通して観客を煽る。
すると会場のボルテージは一気に急上昇し、今日1番の歓声が会場中を包み込んだ。



「何と美しい娘だ!」
「欲しい!」
「愛妾にいい!」
「私の奴隷にするぞ!」



ステージ場にある大型の動物用の檻に入れられて盛り上がっている会場をただ見つめる。

私の首には絶対服従の証としての首輪が付けられており、手には鉄の手錠が付けられている。
足だけは唯一自由が効いている状態だが、私は今檻の中、そんな自由何の意味もなかった。

人間の欲望が形になったような場所。
それがここだ。煌びやかなシャンデリアが天井を埋め尽くし、会場のどこを見ても豪華絢爛。だが、どこか嘘っぽく、表面上だけの豪華さを感じるそんな場所。
そこに集まっている人々は人間を買おうとするだけあって身なりもとてもいい。
そして一応素性を隠せるように皆、顔が半分は隠れる仮面を付けていた。