精霊王の娘

リリエナは六年前、この森の奥に捨てられていたそうだ。

――その日は、アルバが急に森に行きたがってのぅ。どうしたんじゃろうかと思って森に向かえば、夫婦木のもとで赤子が泣いておって。髪が緑に瞳が金色じゃろ? まさか大精霊の落とし子かと、それはそれはびっくりしたんじゃよ。

グードは息を引き取る前、リリエナを見て懐かしそうにそう言った。

夫婦木というのはリリエナが縛り付けられているこの大木の呼び名だ。二本の木が仲良く寄り添って、空に向かうほどにまるで一本の木のようになっているからその名がついたらしい。