精霊王の娘

ちなみに大精霊の力を借りて作った魔術具になれば、壊れさえしなければ半永久的に動くらしいのだが、大精霊が人間界に降りることはほぼないので、大精霊の力を借りて作った大魔術具は世界に数個しか存在しない。その一つがこのディルバルグ国にある結界の大魔術具だ。

リリエナは気を取り直して顔をあげた。

少しずつ、自分が魔術を使ったのだという実感が湧いてくるとともに気分が高揚してくる。頬をピンク色に染めて、リリエナは拳を握りしめた。

「そっか! じゃあ、アナイスさんにも魔術具をプレゼントするとして――、どんなものがいいかな?」

「高く売るなら、中級精霊の魔術具にしておけ」

「え、でも、中級精霊の魔術具って難しいよね? わたし、まだ一度も作ったことがないし、作り方も知らないよ……?」

「作り方なら私が教えてやるし、姫様なら、中級精霊の魔術具程度ならすぐに作れるはずだ」

「いくらなんでも、それはないと思うけど……」

バーリーはリリエナの何を見てそんな過大評価をするのだろうか。

(まあ、でも、もし本当に作れたら、高く売れるらしいから、そのほうがいいよね?)

だめならばその時に考えればいいだろう。リリエナはやる気になったが、ここでふと重要な問題に気がついた。

「でもバーリー、ここには中級精霊はいないよ?」

バーリーは笑った。