精霊王の娘

嬉しいのに、嬉しくて仕方がないのに、茫然としてしまって素直に喜べない。だって、ずっと魔術が使えないと思っていたから、いまだに信じられないのだ。

「アナイスのプレゼントも、魔術具でいいのではないか? 力の強い魔術具は、平民ではなかなか手が出せないからな」

魔術具の作り方は知らないが、魔術が使えたのだから魔術具も作れるようになるはずである。

魔術具は高価だとアナイスが言っていたことがある。さすがにいつものように森でキノコを採ってプレゼントするわけにもいかないから、魔術具がいいだろう。

平民たちは下級精霊の力を使って作った魔術具を買うのがやっとらしく、中級精霊以上の力を使った魔術具は高価すぎて手が出せないそうだ。下級精霊の力で作った魔術具は数回使えば使えなくなるが、中級精霊の力で作った魔術具は威力も高いし、一年以上も使い続けられるから価値があるのだという。

上級精霊の力になってくると、何十年も使えるような魔術具が作れるが、上級精霊と契約ができた魔導士は世界を見ても十人程度しかいないと言われているため、そうそう市場に出回るものでもない。