精霊王の娘

バーリーもその案が気に入ったようだ。リリエナとしてはアナイスが安心して結婚出来ればそれでいいのだから異論はない。確かに、会わせろとは言われていなかった。

アナイスが会いたいと言ったときは、バーリーに結婚してもらうことにしよう。

話がまとまったところで、前足で器用にクッキーを抱え持って食べていたエンリーが顔をあげた。エンリーは夕食よりもクルミ入りのクッキーがいいらしく、先ほどから夢中で食べている。口の周りの毛にクッキーくずがついて、歩き回るたびにそれをあちこちにまき散らしていくのでバーリーが眉を寄せるが、あとで風で吹き飛ばしてしまえばいいと思っているエンリーは気にしていないようだ。

「しょんなことより、リリエナ! アナイスが結婚すりゅなら、ご祝儀とお祝いがいるのでしゅよ!」

「ご祝儀?」

お祝いはわかる。プレゼントのことを言っているのだろう。だが、ご祝儀とは何だろうかとリリエナは首をひねる。

わかっていないらしいリリエナに、エンリーが得意げに続けた。

「ご祝儀は、お金のことにゃのです!」

「お金かぁ……」