精霊王の娘

それは困った。アナイスにはお世話になったし、たくさん親切にしてもらったから、絶対に幸せになってほしい。

リリエナはうーんと唸って、それから名案を思いついた。食事が作れる人が同居人として増えたことにすればいいのだ。嘘をつくのは心苦しいが、これもアナイスが幸せになるためである。嘘も方便というやつだ。

「大丈夫だよアナイスさん、バーリー、もうすぐお料理上手なお嫁さんを連れてくるらしいから!」

これで解決である。あとでバーリーに頼んで、お嫁さんを連れてきてもらおう。バーリーはとてもカッコいいし、本人曰く、すっごくモテるらしい。お嫁さんになりたい精霊はたくさんいるはずだ。

先日も、土の上級精霊がバーリーに求婚しに来ていたことをリリエナは覚えていた。

「まあ、そうなの?」

「うん」

アナイスはこれで安心して結婚できるはずだ。

リリエナは満足して、残りのミルクティーを飲み干した。





「というわけだから、バーリー、お嫁さん連れてきてほしいの!」

「ごふっ!」

アナイスが持って来た食事を温めて、夕食を取りながらリリエナが言えば、バーリーが盛大にスープを噴き出した。

「バーリー、汚いにょですー」

「もう、ほら、これで拭きなさいよ!」

エンリーがやれやれと息をついて、ピュアが濡れたタオルをバーリーに差し出す。