精霊王の娘

ディルバルグ国は、地上にある七つの国の中で一番北にある極寒の地であるが、遥か昔に大精霊の力を借りて作られたという大魔術具の作り出す結界のおかげで、常に春のようなすごしやすい気候に保たれているはずなのだが。

「寒かったら、外に出にゃければいいのですよ」

「キノコがほしいなら、みんなで取ってきてあげるよ」

「たくさん採って来るよ!」

「いっぱいいっぱい」

「籠いっぱい!」

「赤や紫、緑に縞々、黄色いのも!」

「ありがとう。でも、大丈夫だよ」

精霊たちがかわりにキノコ採取をしてくると申し出るが、リリエナは丁重にお断りした。

彼ら精霊たちに頼むと、毒キノコばかり採って帰ってくるのだ。どうやら見た目が派手なキノコばかり採取してくるようで、そのせいで毒キノコ率が格段に上がっているようである。さすがにアナイスに毒キノコをプレゼントするわけにもいかない。

「アナイスさんは夕方に来るって言ってたから、今から行けばたくさんキノコが採れるよね」

たくさん採ってアナイスにお礼をするとリリエナが拳を握りしめると、バーリーが大きな手でリリエナの頭をわしゃわしゃと撫でた。

「姫様は小さくなっても頑張り屋さんで偉いな。アナイスも喜ぶだろう」

バーリーに褒められて、リリエナはえへへと笑った。

(よーし、今日もたくさん採るんだから!)