リビングとつながっている玄関から現れたのは、赤い髪に琥珀色の瞳をした、人間でいえば三十半ばほどの外見の背の高い男だった。
玄関をくぐるようにしてリビングに入った彼は、床の上に転がったままのリリエナの抱き上げると、怪我がないか確認した後で床に下ろしてくれる。
彼――バーリーは、人の姿をしていても、火の上級精霊だ。本来の姿は赤い鱗のドラゴンであるが、ドラゴンの姿だと大きすぎて家の中には入れないし目立つため、普段はこうして人の姿に擬態している。
下級精霊だらけのこの家に上級精霊である彼がふらりとやってきたのは、エンリーたちと暮らしはじめた翌日のことだった。
リリエナは当初、彼が精霊だと気がつかずにいたのだが、エンリーが「バーリーは火の上級精霊にゃのですよー」と教えてくれた。あのときは本当にびっくりしたものだ。
なぜなら、上級精霊は滅多に人前に姿を現さない。そして、本来は大きなドラゴンの姿をしている彼らのことを魔導士も恐れて、自分から近づこうとするものもいない。彼らの持つ暴力的なまでに強力な力の前では、人間はあまりに無力だからだ。
力を持つ魔導士でも一生に一度お目にかかれるかどうかという上級精霊が、前触れもなくふらりとやってきたものだから、それは驚くだろう。
さらに、そんな上級精霊が、当たり前のような顔をして、リリエナの家に半同居しはじめたとなればなおさらである。
玄関をくぐるようにしてリビングに入った彼は、床の上に転がったままのリリエナの抱き上げると、怪我がないか確認した後で床に下ろしてくれる。
彼――バーリーは、人の姿をしていても、火の上級精霊だ。本来の姿は赤い鱗のドラゴンであるが、ドラゴンの姿だと大きすぎて家の中には入れないし目立つため、普段はこうして人の姿に擬態している。
下級精霊だらけのこの家に上級精霊である彼がふらりとやってきたのは、エンリーたちと暮らしはじめた翌日のことだった。
リリエナは当初、彼が精霊だと気がつかずにいたのだが、エンリーが「バーリーは火の上級精霊にゃのですよー」と教えてくれた。あのときは本当にびっくりしたものだ。
なぜなら、上級精霊は滅多に人前に姿を現さない。そして、本来は大きなドラゴンの姿をしている彼らのことを魔導士も恐れて、自分から近づこうとするものもいない。彼らの持つ暴力的なまでに強力な力の前では、人間はあまりに無力だからだ。
力を持つ魔導士でも一生に一度お目にかかれるかどうかという上級精霊が、前触れもなくふらりとやってきたものだから、それは驚くだろう。
さらに、そんな上級精霊が、当たり前のような顔をして、リリエナの家に半同居しはじめたとなればなおさらである。


