精霊王の娘

「火を使っているときはよそ見しないっていつも言ってるでしょ!」

ピュアに怒られたポメが、耳をペタンとさせてシュンとした。

このままピュアのお説教がはじまりそうな気配を感じ取って、リリエナは急いでポメとピュアの間に回り込む。ピュアのお説教は長いのだ。終わるまで朝ごはんがお預けになるのは勘弁である。

「まあまあ、ポメも悪気があったわけじゃないんだから、ね?」

「リリエナぁ……!」

ポメが赤と金色を混ぜたような瞳をじーんと潤わせて、勢いよくリリエナに飛びついた。

ポメは小さいが、リリエナも小さい。リリエナはポメを受け止めきれずに尻餅をついて、ころんと後ろに倒れこんだ。

「リリエナー! ポメ! リリエナは今はちっちゃいんでしゅから、飛びちゅいたりしたらだめなにょです!」

エンリーがプンプン起こりながらリリエナの背中に回って助け起こそうとするが、エンリーの小さな手ではリリエナを支えることができない。

前はポメ、後ろはエンリーに挟まれて、助けようとされているのか、じゃれつかれているのかわからなくなった。リリエナも自分で起き上がることができなくなってしまって途方に暮れていると、がちゃりと玄関の扉が開く音とともに、あきれた声が聞こえてきた。

「……何をやっているのだ、お前たちは」