「抱きしめて、いいよ?」


見上げるようにしてみてくる彼女。


可愛くて、綺麗で、消えてしまいそうなのに、強くそこに存在する。


「リナ……」


俺は震える腕をリナの背中に回した。


想像以上に華奢な体。


ギュッと両手で強く抱きしめると、女性的な柔らかさと細さの矛盾に戸惑った。


「あったかいんだね、ナオキ君」


「リナも、あったかいよ」


随分汗をかいてしまったから匂いが気になったけど、リナは俺の腕の中で心地よさそうに目を閉じた。