一つ目の夢が砕けたあの日。
あの時から僕の心の一部は失くなっていて、それを埋めたくて新たな夢を抱いた。

でも、二つ目の夢も叶わなくて……。
僕の心はずっと欠けたままになっていて……。

ずっと分からなかった。
その欠けた部分が何なのか……。

でも、今日、やっと分かった。

「っ……僕ね、……ヴァロンさん(君のお父さん)が好きなんだ」

そう言ったら、ツバサは初めキョトンとしてた。
意味が分かる訳もないだろうし、こんな気持ち子供に理解出来る筈もないだろう。

でも、誰かに聞いてほしかった。
気付いた時には終わっていた僕の初恋を、君に聞いて欲しかったんだ。

「大好きなんだ、ヴァロンさんの事がッ……。っ……大好き、だったんだ!ッ……ぅ、くっ……」

泣いたの、いつ振りだったんだろう?
久々過ぎて、泣き方も、涙の止め方も正直分からなかったな。

けど、そんな僕を見て、ツバサが微笑ったんだ。
ヴァロンさん(自分のパパ)が誰かから大好き、って言われて、ただ単純に嬉しかっただけかも知れない。
特別な意味なんて、ツバサにはなかったのかも知れない。それでも……。

ーー天、使?

トクンッと脈打つ心を、そっと優しく包まれた。

初めて見た君の笑顔は、ずっと忘れられない。
失くした筈の心の隙間を埋めてくれるみたいに、君はスッと僕の心の中に入ってきたんだ。

そしてツバサは、僕に三つ目の夢をくれる。