大地を潤し、人々に恵みを与える生命の水は、雲の間から射し込んだ朝陽に照らされてキラキラと輝く。

「綺麗……」

思わず、私もそう口にしていた。
静かに隣に視線を移すと、私の愛おしい男性(ひと)は、とても美しい表情と瞳で蓮葉(レンハ)様をじっと見つめている。

ーー……少し、妬けちゃうな。

そう思いながらも、そんな彼を見て微笑みが溢れてしまう程に私は嬉しかった。
何処か元気なさ気だったツバサが、真っ直ぐ前を向いてくれたような、そんな気がしたから。

もう、大丈夫だねーー。

そう思って見上げると、雨が朝陽に照らされて、空には七色の虹が架かっていた。
そして、虹が村を見下ろす頃には、村人全員が蓮葉(レンハ)を笑顔で見つめていた。

……
…………。