「あっれ〜???
……ツバサ〜〜〜!ドコ〜〜〜!?」

まだお日様が登ったばかりの早朝。
ボクはまだ慣れない、広くて入り組んだ創りの港街を友人を捜して彷徨(さまよ)っていた。


……あ!皆さん、こんにちは〜!
1巻の第5章以来の登場だから、軽く自己紹介がてら今の状況を説明するね!

ボクの名前はジャナフ、18歳。
出身国は砂漠の国ドルゴア。
家族構成は親父と兄貴が三人の男四兄弟。
優秀な兄貴達に認めてもらいたくて、家を飛び出して武者修行をしにこの港街に来た健気で頑張り屋の少年だ!

え?それで何故この港街を選んだのか、って??
この港街にはね!夢の配達人って、何でも出来るめちゃくちゃすごい人達が居て、その評判や噂はボクの国でも有名なんだ。

何がすごい、って。
夢の配達人の強さは"力"だけではない事ーー。

ボクの国は武力を何よりも誇り、男は武道や武術の道を極めるのが当たり前。でも、ボクは何をやっても中途半端で、落ちこぼれだったんだ。
落ち込んで落ち込んで……。
そんな時に知ったのが、夢の配達人の事。

『強さは力ではない。真の強さとは、人それぞれの良さを生かすもの。見方を変えれば、時に短所さえも己の力にする事が出来る』

雑誌に載っていた、夢の配達人を創った初代最高責任者(マスター)さんの言葉。
まるで自分に言われてる気がして、ボクは嬉しくて嬉しくて……仕方なくなった。夢の配達人になれたら、何もないと思っていた自分も変われる気がしたんだ。
居ても立っても居られなくて、ダメ元で手紙を書いたら「一度直接会って話がしたい」って、現最高責任者(マスター)のシュウさんが直々に返事をくれた。
そんな訳で、今から1ヵ月位前にこの港街にやって来たボク。

そしてその時に運命的に出会ったのが、今捜している人物。白金色の髪と瞳の、とっても綺麗な容姿をした男の子……。

「ーーあ!
いたいた!ツバサ〜〜〜!!」

「!……ジャナフ、おはよう」

中央広場にある公園。
ボクが息を切らしながら駆け寄ると、動きやすい"スウェット"って言うらしい服装をしたツバサが身体を伸ばしたり、軽くジャンプしながら挨拶を返してくれる。