結婚してください。

「『メッセージカードが入ってるから見て』って言えばいいことじゃん。しかも袋持ち帰ろうとするし」

「別な日に仕切り直そうと思ったんだよ」

 彼はバツが悪そうな顔をしてぽりぽりと鼻の頭を掻いてから居ずまいを正し、私の方を向いて言った。


「僕と、結婚してください」


「…まあ、私としては、断る理由がないんだけど」

「なんだよ。じゃあそこまで引っ張らなくてもいいじゃないか」