テーブルに置かれたままのメッセージカードに視線を移す。

『里帆さんへ
結婚してください。
      顕より』

「こんな大事なことが書いてあるなんて思わないでしょ」

 きっと「来年もよろしくお願いします」的なことが書いてあると思って、あとでゆっくり見るつもりだった。

 こともあろうに、彼はメッセージカードが入っていたこの袋を持ち帰ろうとしたのである。

もちろん、メッセージカードが入っていることに気づいていた私はその袋をふんだくったので手元にある。

一体どういうつもりだったのか。思わずため息が漏れた。