結婚してください。

「そりゃ、ちゃんと、直接言ってもらいたいでしょ。一生に一度のことなんだからさ」

「僕は悪くない」

「あなたのせいでしょ。全然ロマンチックじゃないプロポーズ」

「この減らず口め」


 不意打ちのキス。


「ちょっとはロマンチックになった?」

「そ、そんなキスでチャラになると思っ、ん」


 さっきよりも深い、情熱的なキス。


愛情表現の下手な彼の、精一杯の愛情表現。


「僕が結婚したいと思うのは君だけだよ」

「…うん」