俺がお前を夢の舞台へ

チラッと横目で見られ、胸が嫌にざわつく。


「……やっぱいいや。なんでもない」 


何かを言いたげな曖昧な言動。


誤魔化したように歩みを速める。


「ちょっと…」


その手を掴んで引き止めると、勇翔は眉間にシワを寄せて私から目を逸した。


「…言いたいことがあるなら言ってよ…」


勇翔の手を握る力を強めると、再び目を合わせてくれた。


そして、覚悟を決めたように口を開いた。


「……準決勝が終わったその日、蒼空から連絡があった」


一言一言が重い。


だけど、勇翔は目を逸らすことなく続けた。


「…手術を受けることにしたって」


「そう…なんだ。どうして勇翔に…?」


私には連絡がなかったのに…。


「…成功確率、聞く?」


「え…?」