―翌日
「彩絢さん!!蒼空さんが倒れたって…!!」
グラウンドに入ると、真っ先に菜々子ちゃんが駆け寄ってきた。
勇翔から聞いたんだろうか。
心なしか、アップをしている部員たちの表情が暗い。
「…私たちにできることをしよう」
黙々とバットを振る勇翔のように。
心配を顔に出していないのは勇翔だけ。
「蒼空さんのこと、心配じゃないんですか…?」
まるで昨日の私を見ているようだった。
心配で、不安で、怖くて。
とても前なんて向けなかった。
でも。
勇翔が教えてくれた。
信じることを。
「大丈夫だよ。蒼空は絶対に大丈夫」
そう信じることにした。



