俺がお前を夢の舞台へ

「俺の取り柄はこのメンタルだからさ」


「…そっか……」


そういえばそうだ。


勇翔の心臓は異様に強かった。


9回裏2アウトランナー一塁。


その一塁ランナーが勇翔だった。


普通じゃ怖くて盗塁なんて到底できない。


それでも、勇翔は初球で走った。


指示なんて出てないのに。


そして見事盗塁成功。


お父さんは無茶苦茶な行動に怒ってたけど、その盗塁のおかげでサヨナラ勝ちすることができた。


バカみたいに強いメンタルと自信。


勇翔には昔からそれが備わっていた。


「…今ね、勇翔の盗塁強行のこと思い出してたの。昔からメンタル強かったんだね、勇翔って」


「んなこともあったな。あのあと監督に超怒られたんだよなー」