俺がお前を夢の舞台へ

…蒼空が…。


1番怖いであろう蒼空が…。


「……俺だって、もう二度と身近な人を亡くしたくない。あんな思い、もう二度としたくない。だけど、信じるしかねーんだから」


「…うん……」


信じるしかない…か。


そう…だよね。


そんなことはわかってる。


でも…。


「…ごめん、私は勇翔とや蒼空は違う」


不確定なものを信じて前に進めるほど強くないんだ。


「……そ。…今日はもう帰ろう」


「嫌だ」


帰りたくない。


蒼空の無事を確認するまではここから動かない。


「彩絢」


勇翔が手を差し出してきて私を立ち上がらせる。


「ここに居たって何もできないだろ?」


「そんなことない…」


「そんなことある。とにかく、落ち着こう。な?」