俺がお前を夢の舞台へ

強く腕を掴まれ、強引に目を合わせられる。


ぼやけた視界でもその力強さは分かった。


「勝手に希望捨てんな!人の命を勝手に終わらせんな!アイツは今生きようと必死にもがいてる。お前はそんな蒼空を見捨てんのかよ!!」


勇翔の怒りを感じ、不安定になっていた心スーっと少しずつ鎮まっていく。


「…橘の甲子園行きを誰よりも夢見て、自分なりにできることをやって。アイツはアイツなりに全力で生きてんだよ。全力で夢を叶えようとしてんだよ。二度とアイツの命を無下にする発言をするな」


……。


でも…。


そうだとしも…。


「怖いんだよ…。蒼空がいなくなることが…。未来が…。怖くて怖くてたまらないよ…っ」


もし蒼空がいなくなったら。


もしもう二度と会えなかったら。


想像すると怖くて震えが止まらない。


「…未来のことは誰にも分からない。それなのにそんなことばかり考えて悩んでるなんて時間の無駄。蒼空がそう言ってた」