俺がお前を夢の舞台へ

苦しむ蒼空を目の当たりにして、病気の恐ろしさを改めて知った。


病は人の命を簡単に奪う悪魔。


そう、強く感じた。


「……怖い」


未来が怖い。


数時間後、蒼空は生きてる…?


1週間後、蒼空は生きてる…?


蒼空ともう一度笑い合える…?


一歩先だって見えない真っ暗な未来が怖くて怖くてたまらない。


「……俺だってアイツを失うのは怖い。でも、信じるしかねぇんだよ。今かどんなに暗くて先が見えなくても、必ず明るい未来は来る。そう信じるしか―」


「私は勇翔みたいに強くない…っ。そんなふうには考えられないよ…っ」


床の上の小さな水溜りが大きくなっていく。


私の体を支える勇翔の手の力が強くなる。


「おい」